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脳内健康

最近、「アルツハイマー病を治せ!」 "認知症800万人"時代の処方箋 NHKスペシャル取材班をよみました。(主婦と生活社)を読みました。

 厚生労働省発表によれば、10年後の2025年には、認知症患者は700万人を突破。65歳以上の5人に1人が認知症になる予測をしています。

認知症は、平均寿命が延びたからなのではないと思います。普段から、生活習慣もかなり起因していると考えられます。 発表数値からも「自分は大丈夫だ」という根拠なき自信は危ないと認識すべきです。

特に、60歳前後からは、予防や生活改善といった認知症対策を始める必要があります。

 2000年以降、アルツハイマー病は、驚くべき速さで急増しているので、ただ単に高齢化が問題ではありません。アルツハイマー病の"引き金"はまだ謎なのですが、最近の研究では、発症の25年も前から脳に変化が表れていることが分かりました。

 認知症のリスク要因として、ストレスは非常にかかわりが深いともいわれています。

  1. 強いストレス➜2.ストレスホルモン「コルチゾール」分泌➜3.脳の海馬萎縮➜4.認知症の進行  

現代の社会は、便利な社会なのですが、ストレスと無縁な人はだれ一人としていません。

認知症に限らず、健康で若々しく生きるためには日々のストレスケアはとても大事です。

近年、アルツハイマー病の国際会議で注目を集めているのは「運動」と「睡眠」です。

ピッバーグ大学のエリクソン准教授の研究では、長い間、高齢者の脳は、老いていくだけと思われてきましたが、「運動」でプラスの方向へ変われることが発見されました。

海馬は記憶を司り、短期記憶に関係していて、年齢とともに小さくなる領域です。小さくなると新たな事を覚えるのが難しくなります。アルツハイマー病になると海馬の萎縮が加速度的に進んで行くことが分かっていますが、「海馬」を大きくすることは現在の薬では不可能です。

 「スニーカーをはいて街に出よう!」

最低、週3回位は、30分から45分の散歩をしましょう。歩く速さは息が少し弾むけど、会話は出来る程度の運動でも気分が良くなり生活の質は向上します。

エリクソン准教授によりますと、「アルツハイマー病を含め認知症のリスクを下げたいなら、"治療"を待つべきではありません。"魔法の薬"を待つべきでないのです。自分のためにスニーカーを買い、外に出ていくことです。そうすることが、自らの将来を手中にすることに等しいのです。自ら動いて、将来を変えていくことが出来る。それがとても重要です。」

 睡眠がアルツハイマーと関係している。 脳は寝ている時に、きれいになる。 (セントルイスにあるワシントン大学の研究)

 質の良い睡眠を取らないとアミロイドβが脳内に溜まりやすく、アルツハイマー病を引き起こしたり、より悪化させたりすることが分かってきました。

同大学の精神医学の教授、デイビッド・ホルツマン医学博士によりますと、「よく眠れているとアミロイドβを蓄積している人は少なく、一方、睡眠の質が悪いと、アミロイドβを蓄積している人は多いのです。」

 「"睡眠の改善"は、治療のアプローチになるかもしれません。例えば、睡眠導入剤を服用することによって、よい睡眠が確保され、その結果としてアミロイドβが減ることが分かれば、これが予防や治療に繋がるわけです。もちろん、薬を使わずに良い睡眠が得られればその方がいいのですが・・」

 「運動」と「睡眠」をいかに改善していくか認知症に限らず、健康を維持してくうえでは大事なテーマです。

 ウェイクフォレスト大学のスザンヌ・クラフト医学博士は、20年間アルツハイマー病とインスリンの研究をしており、ここ5年で研究が大きく進み、アルツハイマー病の発症リスクと糖尿病の関係を明らかにしました。糖尿病、糖尿病予備群、低血糖症はアルツハイマー病のリスクは高くなりますので注意が必要です。

100年前は、アルツハイマー病の患者はほとんどいませんでした。やはり遺伝子の影響も確かにありますが、生活習慣の要素はかなり影響しています。遺伝要因より生活習慣要因のほうが大きいようです。

 アルツハイマー病にかかわらず、これからの時代は、未病の段階で食生活改善、運動、リラクゼーションなど積極的に取り入れていきましょう。

脳の重さは体重の2%ですが、体全体の約20%ものエネルギーを消費しています。人体の中では消費エネルギーは最大です。

 食生活の面での健脳生活!

 脳を元気に働かせるためには常にブドウ糖を補給していく必要があります。また、脳の活動に必要な神経伝達物質の材料はアミノ酸です。たんぱく質も欠かせません。アミノ酸から神経伝達物質を作ったり、ブドウ糖をエネルギーとして利用する上で必要なのがビタミン、ミネラル。

特に、脳の働きと密接に関係しているのがビタミンB群(ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸です。) ビタミンB群は濃緑色の葉もの野菜ブロッコリーや枝豆、アスパラガス、オレンジなどに多く含まれています。

 人間の脳は約50%が脂肪でできています。海馬やシナプスには特に多価不飽和脂肪酸のDHAが多く含まれています。魚を多く食するイヌイットの人々に心筋梗塞や動脈硬化など血管系の生活習慣病がほとんど見あたらないことから、魚に多く含まれるDHA・EPAの血液をサラサラにする作用が判明しました。DHA・EPAは体内で合成できないため、食事から摂取しなければなりません。DHAはアルツハイマー病を改善するという臨床報告もあります。

 多価不飽和脂肪酸には肉や植物油に多いn-6系統(リノール酸、アラキドン酸など)と、魚に多いn-3系統(α-リノレン酸、EPA、DHAなど)があります。

いずれも細胞膜の材料になりますが、脳ではn-6系統よりもn-3系統の脂肪が多く必要です。

n-3系統の食品は、魚や一部の植物油に限られるため、現代の食生活はn-6系統過多になりやすい傾向にあります。n-3を多く含む食材は緑黄色野菜海藻(乾燥していないもの)青魚、クルミ亜麻仁油、エゴマ油などです。

アルツハイマー病患者は、アセチルコリンと呼ばれる神経伝達物質が少ないのが特徴です。大豆に含まれるレシチンは、体内でこのアセチルコリンの材料となるコリンに分解されます。レシチンは記憶障害を改善する効果が確認されており、アルツハイマー病の予防が期待できます。

 いちごブルーベリー、ラズベリー、ブラックベリーなど、記憶力の向上、抗酸化作用、抗炎症作用、毒物排出作用があります。

抗酸化作用や毒物排出作用は脳を若く保つことに繋がり、抗炎症作用はうつやアルツハイマー病進行の予防になります。 

 うつとはストレスホルモンが長期にわたって分泌され続けることで脳の炎症が起こり、神経細胞が死んでいく、または機能が低下することによって起こるということが最近わかってきています。アルツハイマー病の症状にも脳の炎症があり、ベリーの消炎作用がアルツハイマー病の進行を抑えることが期待できます。

 インド人にアルツハイマー病の発症が少ないことが以前から指摘されていましたが、カレー成分のクルクミンがアルツハイマーの危険因子 アミロイドβの蓄積を阻止しているようです。

 イチョウ葉エキスは1965年にドイツで医薬品に登録され、現在、世界数十か国で医薬品として扱われています。1994年には、ドイツで認知症の治療薬として認可されています。

 実際すべて実生活に取り入れことは、なかなか出来ないとは思いますが、物が有り余る時代、より本物を取り入れて健康維持に努めていきましょう。

 

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