ニューロフィードバックとは
ニューロフィードバックとは
ニューロフィードバックは、望ましい脳波が現れた時に、音や映像、ゲームなどでフィードバックをし、最適な脳波状態を学習していくトレーニングです。脳波の状態をフィードバックするだけなので、薬を使ったり、身体や脳などを傷つけたりすることもなく、副作用もほとんどないのが特徴です。今世界中で研究が進んでおり、大きな注目を集めている技術です。
ニューロフィードバックの効果は、国際児童精神医学会や、アメリカ心理学会でも認められています。
脳の可塑性(かそせい)について
脳には、粘土と同じで、いったんできた神経ネットワークをそのまま維持する性質があります。これを「脳の可塑性」といいます。
出典:田崎美弥子『ニューロフィードバックセラピーのすべて』,ヒカルランド,2020年12月
いちど自転車に乗れるようになったら一生乗れるのも、このメカニズムのおかげです。「自転車に乗る」という行為はシンプルなようでいて、実はいくつものステップが複雑に組み合わされて実現できるものなのです。「ハンドルに手をかけて自転車が倒れないように固定する」「片足をペダルにかけて、勢いをつけてサドルに乗っかる」「バランスを取りながらペダルをこいで走らせる」.....これら一連の動きをスムーズにおこなうことができるのは、小脳、感覚運動野、視覚野、全部前頭葉などのあいだに適切な神経ネットワークが形成されていて、さらに、それが時間を置いても消えずに維持されるからなのです。
ニューロフィードバックのトレーニングによって一度形成された脳神経のネットワークは、脳の可塑性によって維持され、ひんぱんに使われれば使われるほど強化されていきます。
海外のアスリートの使用例
アスリートが試合で最大限の能力を発揮するためには、メンタルコントロールが重要です。
- 2010年バンクーバー五輪の男子モーグルで金メダルを獲得したスキーヤーのアレキサンダー・ビロドウも心脳を鍛える手段としてバイオフィードバックやニューロフィードバックを取り入れています。
- NBA最高のセンターに数えられるようになったロサンゼルス・クリッパーズのクリス・ケイマンも脳はトレーニングを受けることにより、集中力や衝動の制御など、能力が新たに伸びたと証言しています。
ニューロフィードバックに関する本
日本でニューロフィードバックの第一人者である田崎 美弥子氏がニューロフィードバックに関する本を出版しています。
ニューロフィードバックセラピーのすべて
著者名: 田崎 美弥子
出版社: ヒカルランド
発売日: 2002/12