詳しい脳のお話
側頭葉
耳の周辺で、言語の理解、記憶や物事の判断、感情を制御、聴覚をつかさどっている部分です。
側頭葉は、大脳辺縁系にもアクセスしています。大脳辺縁系で重要な領域は、海馬と偏桃体です。
海馬は、一時的な記憶の保管場所だと考えられており、海馬には、外部からのあらゆる感覚情報が絶え間なく入力されており、それを整理して、1~3か月間、保管していると推定されています。
偏桃体は、本能的感情「情動」(快・不快、怒り、恐怖、喜び)の感情と身体反応を生み出します。身体反応とは、心拍数や血圧があがったり、顔がこわばったり、筋肉が緊張するなどの身体変化です。
大脳辺縁系は、内分泌系、自律神経系(副交感神経系、交感神経系)に影響をあたえており、脳の快楽中枢とも呼ばれています。
後頭葉
脳の後に位置しており、機能としては、色・形などの視覚情報を処理しています。
鎖骨から上の痛みに関連しており、後頭部を強打した時に、目に火花が飛ぶのは一時的な視覚障害なのです。
頭頂葉
空間の知覚機能・接触・圧力・温度・痛みなどの感覚情報処理・鎖骨から下の痛みに関連しています。例えば、手で物を触ったり、体に触れたりした時、暗闇でも硬さ・軟らかさ・冷たさ・暖かさなどの認識をします。
中心溝
中心溝は前頭葉と頭頂葉の境界。中心溝の前壁は一次運動野と呼ばれ、体の各部位へ筋肉を動かすための信号を出しています。後壁は一次感覚野と呼ばれ、体の各部位から感覚情報(皮膚からの情報)を受け取る領域です。
前頭葉
人間の思考、意思、創造力などを司り、 人間が人間らしく生きるための機能が詰まっています。 目標設定し計画的に理論だてに効率的な行動を起こすという 高次な活動を担うところです。 人間の進化の過程で劇的に発達した場所で、 人間と猿を隔てる分水嶺だとも言われているのです。 人間が社会生活を営むようになり、社会が高度化、複雑化して、 問題解決も複雑になりました。その結果として人間は、他の動物と比べ、 必然的に前頭葉を発達させてきたのです。
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大まかな表現ですが、脳の70%の部分(側頭葉、後頭葉、頭頂葉)は、受信機能で、残り30%(前頭葉)は実行機能なのです。
前頭葉は、実行機能なので、機能的には、活動状態で強く出るβ波の割合が多いといいのですが、前頭葉にローフリケンシー(熟睡時の脳波δ波、微睡みの状態のθ波)が多くでている状態ですと、思考に雲や霧がかかった状態ですので、なかなか思考がまとまらず、実行機能に問題が出てきます。
また70%を占める脳の後は、受信機能ですからハイフリケンシー(β波、γ波)の割合が多いと、受信機能はうまく働きません。穏やかで、リラックスした状態の時に強く出るα波が多く、β波、γ波が穏やかで、左右バランスが整っている状態ですと集中力が強くなり、創造性も高まり脳の機能は数段にあがるのです。
人間の意識の源泉はどこからと言う疑問がわいてきます。
慎重に頭蓋骨に穴をあけた古代人の骨が、世界各地で何千も発見されていて、また、ペルーのクスコの近くで発見された多数の保存状態の良い、約3000年前のミイラを人類学者が調べたところ、約40パーセントのミイラの頭蓋骨に穴があけられていました。
脳波のバランスを整えるということは、脳を最適化するこということです。
脳は、脳の一部だけが単独で働いているのでなく、常に各部位が連動して働いているのです。脳波がアンバランスな状態ですと、右脳と左脳、脳の後ろの部分が担当する知覚機能と脳の前の部分の実行機能の統合がうまくいかないのです。
本来の脳の機能を出し切れていないことになります。
脳は、使わないと衰えます。マンネリ化では脳の機能は衰えるのです。
「ちょっと頑張ってできた。」と言うことが脳にとって快感になります。
何か新しい事を始める時には、脳全体が活動しています。脳の限られた場所でなく、脳全体が活動していることが、脳の画像解析で明らかになってきています。脳は使えば使うほど神経細胞同士の繋がりが密になるのです。
誰しも中年以降は、新たに何か始めることに対して億劫になりがちですが、無理をしない程度にあえて、新たなことに挑戦すれば脳は、若さを保つことが出来ます。
例えば、第二外国語を学び始める。料理を作り始たり、音楽を始めたり。自分の関心のあることから始めましょう。
一般的に音楽に親しんで育った子は外国語の学習能力も高いと言われています。また、歌を歌うことも脳を活性化させます。音の領域の発達が良い人は言葉の処理能力も高いと言われています。