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「レイニーブレイン」と「サニーブレイン」 続編

以前、脳科学は人格を変えられるか?」 著者 エレーヌ・フォックス オックスフォード大脳科学研究室が明かす驚異の世界から「レイニーブレイン」「サニーブレイン」について書かせていただきました。今回は、その続編としてブログを書いてみようかと思います。

近年急速に脳の可塑性について研究され、脳は驚くほど変化する力があることが証明されています。

長らくの間、おそらく7歳くらいを過ぎると脳は、柔軟性を失いもう変化出来ないと信じられてきましたが、たとえ、非常に高齢者であろうとも人の脳には、これまで考えられたよりはるかに高い柔軟性がある事がわかってきました。

 

修羅場のさなかでも、感情的な反応をどれだけコントロールできるかはその人の成功の度合い、そして人生に対する満足度も関わって来ます。ポジティブとネガティブの黄金比があるようです。

豊かな人生を送りたければ、ネガティブな感情を全て排除しようとはせずに、ネガティブな気持ちを一つ感じるごとにポジティブな気持ちを3つ感じられるようだといいのです。

「レイニーブレイン」と「サニーブレイン」の回路の働きいかんで、思考は悲観的にも楽観的にもなります。

不安をつかさどる古来の脅威に対応して進化してきた「レイニーブレイン」の回路の働きが過剰に反応すれば、不安や抑うつなどの症状があらわれます。

快楽をつかさどる「サニーブレイン」もまた、先祖にとって良きものに対応するために進化を遂げてきました。

私たちの祖先にとって良きものとは、例えば、食べ物や住みかの獲得であり、誰かとい一緒にいることで得られる身の安全であり、愛や許しや思いやりです。

 

1950年代から富は目覚ましく向上しましたが、人々が感じる幸福度は横ばいで、しかも不安や抑うつの発症率は大きく上昇しています。多くの人が未来について深い悲観を抱いており、社会の物資的な豊かさと、そこに住む人々が感じている幸福や安心の度合いには何の関係もありません。

 

今は時代の過渡期であり、混乱は避けられないように思えます。幸福度を左右する重要な要素は、状況を自分でコントロール出来る事、あるいはコントロールできると感じることです。困難な状況でも、状況をわずかにでも自分で制御できると信じれば、対処しようと言う気持ちはおこりやすいのです。猛スピードで走る自転車の荷台や、横滑りしている車の助手席に座っている時は恐怖感でいっぱいです。もしも、自分で運転していれば、恐怖心はいくらかなりとも緩和されます。それは自分が状況を制御しているという感覚が、自信を与えてくれるからです。

 

人が本当の意味で幸福になれるのは次の3つの要素が合わさった時だけという科学的な研究からもたらされています。

  1. ポジティブな感情や笑いを数多く経験する。
  2. 生きるのに積極的に取り組む。
  3. 今日明日ではなくもっと長期的な視点で人生に意義を見出すこと。

 

脳の回路が可塑性を持ち、鍛えれば変化するものである以上、どんなに深く刻まれた有害な回路も心理的な訓練によって修正することは可能なはずなのです。

私たちの脳には、秘められた内なる力が存在しております。どのような状況であれ、「人生の舵を自分で握っている。」という感覚は人生を最大限に楽しむ秘訣のようです。

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